人生初の胃カメラ3

前回からのつづき。

 

いよいよ検査着に着替えると、緊張で少しドキドキしてきます

このドキドキの中には、

「結構時間ギリギリに来ちゃったから、先生を待たせたせいで、先生の診察や、突っ込まれた胃カメラの扱いが普段よりも雑になったらどうしよう・・・」という小心者特有のドキドキも含まれています。

着替えを済ませると、2Fの処置室に案内されました。

拷問台?

まるでCIAの拷問台のような手術台を尻目に、

別の看護師さんから早口かつ淡々とした説明を聞いていきます。

「もうちょいゆっくり丁寧に説明してよ!俺初めてなんで!あんたらにとっちゃ日常なんだろうけど、こっちにとっちゃ非日常なんだよ?そこんとこ気配り頼むよ!」

・・・などというセリフは当然愛想笑顔の下に消え、

貴重品をカゴの中へ、スリッパを履き替えて・・・いざ拷問台へ!

いよいよ胃カメラを・・・

とその前に、

喉に局所麻酔をかけられます。

注射とかじゃなくて、看護師さんがでっかい冷凍庫を開けると、その中に

こんな製氷皿が入っていて、マスの一つ一つに薄い氷が張っています。

その氷の一つを取り出し、私にこれを口の中で溶かせと言ってきました。

この氷を溶かして暫くすると、だんだん口の中と喉が痺れてきて、感覚が無くなって、麻酔が完了するというわけです。

そうなると、唾を飲み込むことすら感覚が無くなって、飲み込めているのかどうか分からなくなります。

すると先生が準備万端でやってきて、私は手術台の上で横向きに寝かされます。

私の口元にタオルが敷かれ、「検査中は唾液は飲まずに、垂れ流して下さい。その方が楽ですよ。」と言われ了解したところで、

私と先生双方の準備が整いました。

胃カメラ挿入!

いよいよ胃カメラの挿入です。実際は上の画像のような感じとはちょっと違って、

プラスチックでできたマウスピースのようなものを咥えさせられ、口が閉じられないようになっています。安全のために。

穴が開いているので、そこからカメラを挿入していきます。

胃カメラのカメラ部分がコードよりも大きいので、口と喉の境目の門でつっかえます。

ここで先生と看護師さんが同時に「せーので飲み込んで下さい」と言います。

頭に微妙な「?」マークを浮かべている私に、

「せーの」

「ごっくん」

という掛け声をかけられます。

どうやらこちらの動作と先生の動作がうまく合わないと、

人体の構造上この喉の門を通り抜けられないようです。

でもこれが意外と難しくて、

こちらはただ飲み込む動作をするだけでいいのですが、

実際には口は開いているし、喉もオープンしている状態のため、

唾を飲み込むような感覚的手ごたえはなく、

「飲み込む動作の命令を頭で出すだけ」の状態にかなり近いんですよ。

結局3回、「せーの」「ごっくん」を繰り返すハメになりました。

そして3回目の「ごっくん」で成功したのか、カメラが喉を通っていきました。

1回目と何が違ったのかは全く分かりませんでした。

どんどんカメラのケーブルが奥へ奥へと送られていきます。

喉のフチ一点に当たり続けて、「ぞりぞり」言っている気がします。

よだれは垂れ流しです。あまりの非日常に、全身に力が入っています。

 

胸の中がたまにサワサワーっとひんやりします。

見にくい所を洗い流すスプレーみたいなものがカメラの先端についているのかもしれないですね。

直後、先生は、

 

「たけっちさん、な~んにも心配ないよ」と。

 

食道が少し荒れてるから、逆流性食道炎の疑いはあるけど、

胃はとてもキレイだし、ポリープも無いよ、と。

 

 

・・・・・。

 

 

 

 

 

良かった・・・。俺はまだ生きられるんだ・・・!

ケーブルが喉を通っているので、何にも喋れませんが、

「あー、おあーあおお」(あ~良かったです)

という言葉を念力で飛ばし、検査は終了となりました。

無事、帰還

別室で軽く先生に結果を聞いて、会計を済ませ、帰宅。

長い闘いだった・・・。

1週間後、ピロリ菌の有無の結果を聞くためまた同じ病院へ。

 

「ピロリ菌:陰性」

 

 

完・全・勝・利!

 

正直、親父が2月に胃癌で亡くなっていたので、不安でした・・・。

胃癌もピロリ菌も遺伝するって聞くし・・・。

ともあれ、結果は最良のもの。これもみなさんのおかげです。

これで、これからも心置きなくFIREを目指せるというものですよ!

これがもし余命2年とかだったら、

全くうれしくないFIREの達成になってしまっていましたからね!

いやホント、マジで、

みなさんも健康は大切にしましょう!

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